マタニティマークつけたら「ただのデブだろ」と言われた 優先席を譲られた時に向けられた敵意は、どこから来るのか?
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マタニティマークつけたら「ただのデブだろ」と言われた 優先席を譲られた時に向けられた敵意は、どこから来るのか?
1:的井 圭一 ★:2016/06/17(金) 14:05:59.55 ID:CAP_USER9.net
「お前ただのデブだろ。俺はだまされねーぞ」「偉そうにしやがって」。5月のある火曜日午後11時すぎ、東京西部を走る私鉄の車内。
マタニティーマークをつけた妊娠7カ月の私が、目の前の男性に席を譲ってもらった際、その隣に座っていた男性から言われた言葉だ。
なぜそんな敵意が生まれるのか? 妊婦に気をつけることはあるのか? 考えてみた。(朝日新聞東京本社社会部記者・中田絢子)
降りるまで繰り返された言葉
敵意を向けてきた隣の男性は、白髪交じりのごま塩頭でおそらく50代。半袖のシャツにグレーのスラックス姿で、酒に酔った様子ではなかった。
席は優先席。外見からは、けがなどをしているようには見えなかった。
この男性は私が最寄りの駅で電車を降りるまでの間、同様の言葉を繰り返し、席を譲ってくれた男性も戸惑ったような笑みを浮かべた。
大きなトラブルになるのを避けたかったため、私は笑顔で沈黙することにした。最寄りまでの10分余りが長く感じた。
お腹が重くなり、バランスを取りづらくなってきたため、揺れる電車内では少しの時間でも座れるとありがたい。しかし、これしきの時間なのだから座らなければよかったなと後悔した。
「本当にあることなんだな」
マタニティーマークが出来て10年目ということが話題になった昨年、朝日新聞紙面などで「反感を持たれそう」として使用を控える人がいると知り、妊婦ではなかった私は半信半疑だった。
その数カ月後に妊娠し、マタニティマークをつけるようになったが、今回初めて露骨に敵意を向けられ、「本当にあることなんだな」と実感した。
「望んで妊娠したのだから…」
マタニティマークは、妊婦を受動喫煙から守ったり、交通機関や職場での配慮を求めたりするためのマークだ。
最近では「席を譲って欲しい」とアピールするためのマークだと受け取られ、様々な事情を抱えた人が乗り合わせる電車内で反感が広がっているように思う。
また、経済的、身体的な理由から子どもを持つのが難しい人たちがいる中で、好きな仕事を続けながら子どもを持てる環境は恵まれており、「望んで妊娠したのだから、
周囲に配慮を求めるのはおかしい」と思う人がいるかもしれないとも考えた。
マークをつけることにためらいも
私自身、実際に自分が妊婦になってみて、マークをつけることにためらいがあった。妊娠6カ月ごろまでは、取材先がある霞ケ関駅まで毎日通勤していた。
上司に、体調に配慮しつつ、これまで通りの業務をこなしたいと伝え、理解を得たからだ。
終電に近い電車で帰宅することも多かった。早朝や深夜の電車内は総じて、疲れていたり、お酒を飲んでいたりで、ぐったりしている人が多い。
そもそも妊婦とはいえ、健康な状態を保てているから、この時間まで働いているわけだ。そう思うと、マークをつけることにためらいがあった。
マークの大事さ実感した「不安」
こうした理由から初期は一時期、マークを隠して電車に乗ることもあったが、やがて外から見えるようにつけるようになった。
まだ寒いある夜、帰宅途中に急激に気分が悪くなり、路上に嘔吐してしまった(夫を伴って「現場」に戻り、極寒の中で掃除する羽目になった)。
ささいな事だが、「やはり妊娠中は注意深く過ごさないといけない」と不安を覚え、普段からマークをつけておくことが大事だと思うようになった。
約45%「マークを知らない」
つけてみて分かったことだが、マークの認知度は今一つなうえ、多くの人は電車内でスマートフォンを操作するなどして妊婦に気付かず、席を譲られることはまれだ。
内閣府の2014年の調査でも、回答者の約45%がマークを知らなかった。特に男性は約6割の人が知らない。実際私の場合、男性から「席を譲りますよ」と声をかけてもらうことはあまりない。
多くの人はマークの存在を知らないか、自身も疲れており周囲を気遣う余裕などないように見えた。妊婦とはいえ、自分よりも座席を必要としている人がいることに気を配ることは必要だ。
マタニティマークつけたら…「ただのデブだろ」と言われて考えたこと – withnews(ウィズニュース) 2016年06月15日
http://withnews.jp/article/f0160615000qq000000000000000G00110801qq000013500A
つづく