DeNAベイスターズ前球団社長池田氏「なんとなく盛り上がらないワールドカップ」
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DeNAベイスターズ前球団社長池田氏「なんとなく盛り上がらないワールドカップ」
転載元: http://hawk.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1527278018/
日本代表のレプリカユニホームの売れ行きが低調なことが伝えられるなど、
過去の大会に比べ「盛り上がりに欠ける」という指摘が相次いでいます。
スポーツイベントに限らず、直前にならないと盛り上がらないのは
日本人の特性ともいえますが、こうした構造をスポーツビジネスの観点で見ると
どんな分析ができるのでしょう?(文=VictorySportsNews編集部)
前回大会、2014年のブラジル・ワールドカップ決勝では10億人以上が視聴し、
のべ視聴者数ではオリンピックをはるかに超える数百億人が目にするといわれる
スポーツ界のビッグイベント、サッカーのFIFAワールドカップですが、
ハリルホジッチ監督の突然の解任などもあり、過去の大会の同時期に比べて
盛り上がりに欠ける、活気が見られないとの声が多くあります。
横浜DeNAベイスターズ前球団社長の池田純氏は、こうした空気感を
サッカーの現場で目の当たりにしたと言います。
「先日、パナソニックスタジアム吹田で行われたJリーグ・ガンバ大阪対浦和レッズの試合を
観戦する機会がありました。前日には日本代表候補が西野朗監督の口から発表され、
この試合にも3人の代表候補選手が出場していました」
しかもワールドカップメンバー候補に選出された選手が出場するという
ニュース性があるにもかかわらず、そのバリューが世間に伝わっていないということでした。
実際、この日の観客数は2万5361人で、今シーズンの吹田スタジアム開催としては、
1万人台で推移した過去2試合よりも多いものの、
セレッソ大阪との大阪ダービー(3万5242人)、
開幕戦となった名古屋グランパス戦(2万8681人)と比べると
やや物足りない数字に終わっています。
池田氏は、ガンバのGK東口順昭、レッズのDF槙野智章、MF遠藤航と
3人の代表候補が出場しているにもかかわらず、それが集客につながっていないというのが
「なんとなく盛り上がらないワールドカップ」の象徴的な例だといいます。
「“助走”期間が重要になるのではないかと感じています。
今年2月に開催された平昌オリンピックも、直前まで『本当にオリンピックが始まるの?』
という雰囲気でした。それが、日本人選手が活躍したこともあって、
始まってみれば連日話題の中心になった。それはそれでいいのですが、
いまはどうなったかというと、ほとんどの人にとって平昌は遠い過去の話のように
なっています。要するにブームになりやすいけど、ブームで終わってしまっている。
私はビジネスサイドの人間ですから、大会を盛り上げるためにビジネスサイドから
何ができるかという視点で常に見ているのですが、その意味では、“助走”、
つまり大会や試合に向けてどうやって盛り上げていくか、
サッカーのワールドカップの場合なら開幕や日本代表の試合に向けて、
どうやってファンの興味・関心をマックスにして持っていくかが重要だと思います」
「日本代表候補選手が発表されて、これからいよいよロシア・ワールドカップが始まるぞ」
という期待感やワクワク感が試合に投影されていませんでした。
こうした演出や工夫は、興行としてできる努力でもあります。
「代表選手の選出やプレー・試合内容などについては、
ビジネスサイドの人間が口を出すことではありません。
しかし、大会自体、試合自体をどう盛り上げるかは、
ビジネス面からできることがたくさんあります。極端なことをいえば、
こうやって『盛り上がっていないこと』を話題づくりに活用するというやり方もあるでしょう。
グッズの売れ行きが鈍いとの記事もありますが、
過去の大会と比較してどれくらい鈍いのか?
逆説的ですが、そこからできることもあるはずです。まったく盛り上がっていない、
無風だといっても、まだ開幕まで猶予はあるわけです。
この期間でどれだけ助走をつけられるかが、
今後の日本におけるサッカーの発展に関わってくるんだという気持ちでやらないといけないと思います」