日本で「安楽死」が実現する日はやってくるのか? 法整備の課題山積み
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日本で「安楽死」が実現する日はやってくるのか? 法整備の課題山積み
1:ニライカナイφ ★:2016/10/10(月) 12:03:16.15 ID:CAP_USER9.net
◆日本で「安楽死」が実現する日はやってくるのか? 法整備の課題山積み
安楽死が合法化されているベルギーで、初めて未成年の安楽死が実施されたことが9月中旬に報じられた。
海外メディアの報道によると、死期が間もない末期の患者だったとされているが、年齢や性別などの詳細は明らかになっていない。
ベルギーでは2002年に本人の同意を前提に成人の安楽死が法制度化され、2014年に年齢制限がなくなり、未成年者でも安楽死の処置が受けられるようになった。
日本でも、刑事裁判などで安楽死の違法性が争われたことがあるが、どのように考えられているのか。
制度化の可能性はあるのか。櫻町直樹弁護士に聞いた。
●「殺人罪」「嘱託殺人罪」などの罪にあたる可能性
「安楽死」とは、一般に「末期癌等の回復が見込めない病(とそれに伴う非常な痛み)に苦しむ人に対し、薬物を注入すること等によって死に至らしめること」というように理解されていると思います。
たとえば、一般社団法人日本尊厳死協会のウェブサイトでは、「安楽死は、医師など第三者が薬物などを使って患者の死期を積極的に早めること」とされています。
「尊厳死」という言葉もありますが、こちらは、回復が見込めない病にある人が、単に死期を遅らせる意味しかない延命措置を拒否して死を迎えることをいい、死の結果を発生させる行為を伴う安楽死とは区別されます(ただし、ケースによっては明確な区別が難しいものもあり得ると思います)。
現時点の日本においては、ベルギーのような安楽死を認める法律はないので、回復の見込みがない病気にかかった人を死なせる行為は、故意に人を死に至らしめたとして、刑法上の「殺人罪」または「嘱託(同意)殺人罪」の成否が問題となります。
●日本で争われた2つの裁判例
ただし、これまでの裁判例においては、殺人罪等の構成要件に該当する場合であっても、一定の要件を満たした場合には「安楽死」にあたるものとして違法性が阻却され、罪が成立しないというルールが示されています。
著名な裁判例を2つ紹介します。
まず、名古屋高等裁判所昭和37年12月22日判決は、脳溢血で倒れ激痛に苦しむ父親に、殺虫剤を混ぜた牛乳を飲ませて死亡させた息子が、尊属殺人罪(現在は廃止)に問われたというケースです。
裁判所は、違法性を阻却するための理由として、安楽死と認められるためには「つぎのような厳しい要件のもとにのみ、これを是認しうるにとどまるであろう」として、以下のような6つ要件を挙げました。
(1) 現代医学の知識と技術からみて不治の病に冒され、死が目前に迫っていること
(2) 病者の苦痛がはなはだしく、誰が見ても忍びない程度であること
(3) もっぱら病者の苦痛の緩和が目的でされたこと
(4) 病者の意識が明瞭で意思を表明できる場合には、本人の真摯な嘱託または承諾のあること
(5) 医師の手によることが原則。そうでない場合はやむをえない特別な事情があること
(6) その方法が倫理的にも妥当であること
もう一つの有名な裁判例が、横浜地方裁判所平成7年3月28日判決(いわゆる「東海大学安楽死事件」)です。
これは、多発性骨髄腫という難病に苦しむ患者に、心停止を引き起こす作用のある塩化カリウムを注射して死亡させた医師が殺人罪に問われたというケースです。
裁判所は、一定の要件を満たす場合には「安楽死」として許容される(つまり、殺人ではあるが違法ではない)場合があると述べました。
そして、医師の行為であることを前提として、次のような要件を示しました。
(1) 患者が耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること
(2) 患者は死が避けられず、その死期が迫っていること
(3) 患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし、他に代替手段がないこと
(4) 生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること
このように、裁判実務においては、一定の要件を満たす場合には違法性が阻却される「安楽死」として許容されることがあることが示されています(ただし、上で挙げた2つの裁判例では「安楽死」とは認められませんでした)。
(▼続きはリンク先でご覧ください)
弁護士ドットコム 2016年10月10日(月)8時39分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161010-00005187-bengocom-soci