「母親になると後悔するのか」・・・ドイツで一大論争に
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1:ひろし ★:2016/07/07(木) 22:00:55.39 ID:CAP_USER9.net
【AFP=時事】母親になったことを後悔する──そんなことがあり得るだろうか? イスラエルの研究者が提起したこの問いが、
ドイツで長年のタブーに切り込んだ格好となり、一大論争を巻き起こしている。
社会学者で、昨年「Regretting Motherhood(母親になって後悔する)」という研究を発表したオルナ・ドーナト(Orna Donath)氏は、
「この話題はイスラエルでは1週間程度で落ち着いたのに、ドイツでは何か月も続いている」とその状況を比較する。
子どもを持たなければ「将来後悔する」という周囲の声にうんざりしていたドーナト氏は、
子どものことは愛しているけれども、本音を言えば子どもを持たなければよかったと考える女性23人からの言葉を集めた。
ドーナト氏の問題提起について、2001年に「ドイツの母親という神話性」を題材に研究論文を発表している学者の
バルバラ・フィンケン(Barbara Vinken)氏は、ドイツ人の心の琴線にこの研究が触れたのだと指摘する。
フィンケン氏は、「母親に何もかもが求められ、母親自身も自らに全てを要求する社会で、子どもを持つことの喜びについての根本的な
問いを投げ掛けた」ためとその理由を述べる。同氏によると、「ドイツでは、大学で教育を受けた女性の3分の1以上が子どもを持っていない。
これは欧州では他に例を見ない状況だ」という。
ドイツには、子どもの幸福は社会や父親ではなく母親によって決まるという考えが深く根付いており、女性のキャリア形成への大きな問題となっている。
フィンケン氏はドイツに比べ出生率がずっと高い隣国フランスと比較して、「妊娠中でもグラス1杯のシャンパンを飲むことができ、
早期に断乳して産後3か月もすれば仕事に復帰し、以前のような『大人』の生活を取り戻すことが容認されているフランスとは違う」ことを指摘する。
■「文化的な変化」は…
アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)氏が10年前に首相に就任してからは政策的議論も活発となり、
保育施設の増設や父親の育児休暇取得奨励策など、出生率の引き上げを目的に新政策が導入された。
だが、文化的な変化は、これに後れを取っている。国内最大の発行部数を誇る日刊紙ビルト(Bild)紙は昨夏、
「キャリアを追求してパンツスーツを着用し、スムージーを飲み、体を鍛える」女性を批判するコラムを掲載した。
寄稿した男性コラムニストはさらに、「(このような女性たちは)まるで男のようだ。もはや母親ではない。自分の子どもが夜、雷におびえていても起きやしない」とも続けている。
しかし、父親の関与を促そうという考えもさほど広がりをみせていない。シンクタンク「ドイツ経済研究所(DIW)」が最近発表した研究によると、
家事に費やす時間では、フルタイムで働く女性でも1日3時間と、男性よりずっと多いという。
他方で、この「母親論争」から距離を置くことを選択した女性もいる。彼女たちは、子どもを持たないという権利を擁護し、
ドイツにおける親としての役割や就業機会に関して日常的に行われている論争には関わるまいとの態度を示している。【翻訳編集】 AFPBB News
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160707-00000028-jij_afp-int